スフィア
第一章
「オギャー、オギャー。」

「おめでとう。元気な男の子ですよ。」


ここは辺境の地図には載っていないような小さな村で元気な産声が響いた。



小さな村なので村人は皆顔見知りで赤ん坊が生まれたのを村人総出で祝ってくれた。



「リアーナ、ありがとう。大丈夫かい?」


「あぁ、ジェイド。大丈夫よ。・・・生まれたのね、私たちの子が・・・。」


赤ん坊の両親、ガッシリとした身体に優しそうな笑顔のジェイドと美女と名高いリアーナである。


笑顔で聞いてくるリアーナにジェイドは優しく微笑みながら「あぁ。」と目を潤ましながら短く答えた。



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