ロボットヲタクと上手に付き合う冴えたやり方教えます。
第二話『水瀬賢太郎』
あの波乱に満ちた、不条理極まりない生徒総会から数日たつ。


私は、科学研究考察部という不思議な部の監査委員となった。


何を監査したらいいのか?生徒会長は部の活動内容等を調べて判断すると言っていたが。


私は先ず、クラスメート等に科学考察研究部の話を聞くが、有力な答えは出なかった。


ただ、部長の水無瀬賢太郎の名前は有名らしく、人物像はかなり分かった。


証言1『水無瀬先輩は理数系が得意で、かなりの知識がある』

証言2『かなりのロボットアニメ好きで、尊敬するのは鉄腕ニュートロンで、将来は自分が造ると目論む』
証言3『偏屈な性格で、理攻めをする、ムカつく奴』 
証言4『時代錯誤な趣味があり、たまに袴姿を目撃する』 

証言5『図書委員であり、かなり本の虫である』 

証言6『宇宙人らしい、内緒だけど、本人が言っていた』

証言7『猫が異様に好きらしい』

証言8『科学部のシミュレーションゲーム大会では連続優勝』

証言9『たまに、天然な感じを見せる、可愛いのだ』
証言10『意外ともてるらしい』


水無瀬賢太郎の人物像を証言から想像する――


総評は、理系で、ロボットヲタクで偏屈な時代錯誤な意外ともてる、猫好きのいやな奴―――

ん――
最後のいやな奴っていうのが全ての証言を全否定してるみたいだけど。


まぁとりあえず、生半可な相手では無いみたい。


私は、副生徒会長の長瀬美咲(ながせみさき)先輩と休憩時間になると、噴水のある中庭ベンチで待ち合わせ、監査の内容を話し合った。


長瀬先輩は山岳部の監査だが、山岳部自体が幽霊部になっていて、部室は誇りまみれ、部長はヒキコモリという事で早々に監査終了らしい、調べようが無いのだ

長瀬先輩は動物で例えるなら、まるで白鳥の様な優雅な知的美人で、後輩の私なんかの事も心配してくれる頼れる姉貴なのだ。


『水無瀬くんは、確かに変わった人だからね、、でも根は良い子だから』


まるで保育士さんの様に優しく語る。



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