ロボットヲタクと上手に付き合う冴えたやり方教えます。
『な、、なんの実験ですか?!あとこんなに煙り出たら、、火災検知器が作動して!!』


『大丈夫だょ、部室の検知器は取ってあるからね、研究の邪魔にならないように』


彼は実験失敗でついた白衣のススを払った。

ほっそりとした姿、眼鏡を掛けた日本人らしい、薄い顔立ちの彼は不思議そうにこちらを観ていた。


『此処に何か用かな?』

私は煙たい中、本題を説明することにした。


『生徒会から来ました、時宗です。生徒会では現在部活数の増大から、既存で活動した形跡の無い、部を廃部を検討していて、それの調査をしにきました。
それで、貴方は、部長の水無瀬さん?』


彼は頷くと、眼鏡を指であげながら答えた。


『また廃部の話しですか?どうぞ、話は聞ますよ』


水無瀬賢太郎は、めんどくさそうに、またか、と言う表情で部室内に案内した。

部屋に入ると煙だらけで視界が遮られたが、奥の立て付けの悪い外窓をあけると煙が流れ、視界は澄んでいく。


八畳くらいの部室に所狭しと積んである本や、ディスク、中央の机には良く解らない機械がショートしており、これが実験の失敗の元であるのは明らかだった。

水無瀬賢太郎は窓を開けてから、何度か咳払いをして謎の機械を箱の様なもので隠した。


『まぁ・・これは成功への障害だな』


『そうなんですか?』


どんな言い訳だよと思いながらも、続けた。


『で?何を知りたいのかな?この部の歴史?活動?』水無瀬賢太郎はゆっくりと椅子に腰を下ろすと私を見て言った。


『もちろん、その両方です、私は小細工とか苦手なんで、、そのまま伝えます、生徒会では、活動内容を再調査して、余剰部活と判断した場合は廃部、新規部活と入れ替えて、部室と部費の維持向上を計ります、よって、水無瀬先輩の部活も活動内容如何によっては廃部を検討します、それを調査するために派遣されたのが私です』


生徒会長と校長印の押された、監査証明書を机にあげた。


『うーむ、、本物だね、つまり、君は、、いや時宗くんは、学校公認の監査委員で、時宗君の如何によって廃部、存続が決まると言うことだね?』 


私は大きく頷く。 
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