突然の恋
「こんなに綺麗なのに…もったいないなぁ-」
少し悲しそうにつぶやく声が落ちてきた
麻衣に言うというより独り言をゆっている様に感じた
居た堪れなくなり、麻衣が話しだす―――
「か、彼がロングヘアーが好きだって言われてから、自然と伸ばすようになったんです。3年間ずっと。でも、伸ばさなくてよくなったんです」
「まだ彼に対して未練が??」
「ないですよ。納得して別れましたから」
「でも俺にはまだ彼が好きだって聞こえたけど」
「え…??」
「髪を切るのだって、断ち切る為でしょ??ならまだ未練があるんぢゃん??」
―――――ガタン!!
気がつけば麻衣は席を立っていた
纏っていたをカッパを外し入口に向かって歩きだす
入口付近に行くと電話で話している店長が麻衣を見て驚いた顔をしている
麻衣は一礼だけすると、荷物を持って店を出た――――