突然の恋

エレベーターの扉が開くと美容院独特の匂いがする

と同時に受付の男性が「いらっしゃいませ」と頭をさげた

メンバーズカードを渡してしばらく席で待っていると
「お待たせしました」
と笑顔をこぼしながらやってきた店長さんに
「お久しぶりです」と軽く会釈をした


ここに通いだしてかれこれ5年程大学の時から来ている

最初に担当してくれた人が店長さんで

それから今までずっと店長さんを指名している



店長さんの名前は知らない

従業員もお客さんもみんな店長と呼んでいる為

麻衣も自然と“店長”と呼ぶようになった

年齢もだいたい30前半?としか認識してない


でもいつも丁寧に対応してくれて満足して店を後にできる


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