不器用な恋
ぅちはそっと息を吸い込み、気持ちを落ち着けた。
よし…。
とりあえず、勉強会の話題で話しかけてみよう…。
「あのさ…」
といったのと同時に、
「明日さ」
……斎藤くんの声とかぶった!!
やば!!やばい!!
あ、でも、ぅち以外の人に言ってるのかも…
不安になり、斎藤くんのほうをみると、
バチッっと、目が合った。
「ぁ…えっと…」
ぅちはあわててしどろもどろになってしまった。
「あ、ごめん、なに?先に話して?」
斎藤くんは涼しい顔で話しかけてくる。
「あ、いや、明日のこと…」
うまく言葉がでてこない。
「あ、俺も!俺もそれ話そうとしてた!勉強会のことでしょ?」
「うん!あ、明日、どの教科、もってくる??」
「あー。数学と英語とか?」
「ぅちそれ、苦手だー。ぅちも数学と英語持ってこようかなぁ。」
「おー。つか、勉強全部無理だけど、英語と数学特に無理。」
「わかる!!中学になっていきなり難しくなってさー」
ぉ。おお??なんか、わりと会話できてる…??