ほんとうに君が好きだった

すれちがい




私達は学年でも結構有名なカップルだった。
ひかるはサッカーが忙しくて、メールも段々途絶えてきた。
付き合ってるのに、デートもまだ一回もしてない。
休みの日はいつもサッカー。


でも私はね?
それでも幸せだったんだよ。
一緒にいられなくても、デートできなくても、君の彼女でいれるだけで幸せなんだよ。







あまり一緒にいられないと言う事で、せめて学校の帰りだけでも一緒に帰ろう、と言う事になった。



放課後。
私は教室からグランドにいるサッカー部を眺める。
ひかるの部活が終わるまで、部活に入っていない私は教室で待つ。今日は沙紀も一緒に待っててくれている。

「やっぱ、マッキーかっこいい~!!」
興奮気味に窓から沙紀が叫ぶ。
「れみのダーリンもかっこいいよ☆」

「ありがとぉ」


視線を沙紀からグランドに戻すと、ちょうどひかるがシュートを決めた。

かっこいい…




今更だけど、どうしてこんな私と、あんなにカッコ良くて優しくてサッカー上手いひかるが両想いになれたのか、疑問。







ようやく部活が終わって、門で待っているひかるの元へ行くと、ひかるの綺麗な顔立ちが少し緩んだ。

「部活おつかれっ☆今日シュート決めてる所見たよ~!!かっこよかったぁ」
私はいつもはクールキャラなのに、何故かひかるの前ではニャンニャンになってしまう。

我ながら恥ずかしい…



「おぉ、見てたの?」
ひかるは真っ赤になって照れながら言った。


ひかるは私の前だと凄く照れ屋で、すぐに赤面してしまう。
かっこいいくせに、可愛いんだ。


帰り道。
学校から少し離れると、ひかるが手を握ってくれた。
温かくて、大きな手。


この手が絶対に離れない事を願い、絶対に離さない事を誓った。




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