ほんとうに君が好きだった
どれくらい泣いていただろう。この泣き腫れた顔じゃ教室戻れないし、みんなにも会いたくないし、このまま帰っちゃえ。

靴に履き替えて、学校を出た。





いつもはひかるが送ってくれたこの帰り道。

どうしてこんな事になっちゃったんだろ。

ひかるは何を考えているのかな?

私は…ひかるが好きなのに。



また涙が出てきてしまった。




家に着くと、征服を着替えてベットに潜り込む。


もしも…もしもまだ望みがあるなら、明日、ひかるに伝えよう。


好きだ、ってコトを。










次の日。
私はいつもより早く家を出た。
ひかるに早く伝えたくて。





学校に着くと、廊下にいる人、教室にいる人、男子も女子もみんなが私に鋭い視線を向けた。

な…に…!?



その時、沙紀が私の腕を引っ張って、女子トイレに連れ込んだ。

「れみっ!!あんた、そんな事してないよね?」

「はぃ?」
全く話が読めない。

「れみが昨日、先に帰った後、美里の靴が消えたんだって。れみが下駄箱にいるの見たって言ってる人がいて。」

「美里って同じクラスの?」

「そうだよ。」

美里は少しギャル系の子で、私とはあまり話さないし、時々睨まれたりするから、怖い。

「あたしやってないよ?」

「だよねぇ、よかったぁ~」
沙紀はホッとしたように抱きついてきた。



「でも、何でみんなあそこまで冷たくするの?」

「昨日、学校で美里泣き出すし、れみがやったんだ~、って大声で言うから、みんな知っちゃったんだよ」


最悪だ。
きっとひかるにも知れ渡ってる。
軽蔑される。
気持ちを伝える所か、嫌われる。もう嫌だ。




その夜、ひかるからメールが来た。
ほんの少しだけ良い期待をもってメールを開いてみる。


【ごめん、もう終わりにしよう。】


嫌だ。
嫌だよ。
終わりなんて嫌だ。


【なんで?】
嫌とは言えず、遠まわしにそう答えてみた。


【お前も別れたいんだろ?】



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