ほんとうに君が好きだった



返信はしなかった。
する勇気も気力も言葉も見つからなかった。

ひかるは美里と私の話を知っている。
私が美里の靴を隠す、最低の女だと思ってる。

もう私に引き止める資格はないんだ。

信じてくれないんだ。

ほんとうは違うのに。
これを言ったら信じてくれる?
ただの言い訳だと思うでしょ?
もういいよ。

さよなら、ひかる。









それからしばらく、私は学校を休んだ。

私の思考は停止していた。

何も考えなかった。
何も考えたくなかった。


それから1ヶ月が過ぎた。

毎日毎日、沙紀からの心配メールが絶えないのと、ママがいい加減心配していて、ちょっと学校に顔を出す事にした。

みんなは目を丸くして私を見た。


沙紀は今までと何一つ変わらず、テンションMAXで挨拶してくれた。




美里はまだ私を睨んでる。
でも他のクラスのみんなは、靴の事なんて忘れたように、ゲラゲラわいわい楽しそうにしていた。


廊下の隅には今まで通り、あの4人がたまってる。


ひかるも楽しそうにみんなと話している。


その姿を見て、やっぱり好きだな、って感じる。

あの笑顔がもう私に向けられる事は…ないんだ。








私が学校に復帰してすぐ、体育祭が始まった。
サッカー部で、運動神経抜群のあの4人組は、もはや体育祭ではアイドル状態だった。



騎馬戦ではひかるはトップで沢山活躍していた。
周りの女子もキャーキャー言ってる。


私もそんな女子の隣で、ひかるに見とれていた。



最後の種目の、選抜リレー。
もちろん、4組代表のアンカーはひかる。

本当にキラキラしていて、凄く足が速くて、
なんだか前より増して好きになってしまった気がした。









君のいない日々がこんなにも辛くて、こんなにも切ないなんて思わなかった。



君が大好きだった。


今でも大好きです。


こんなにも好きなんです。




決して口には出せないけど、
伝えられないけど、
伝わっていますか???




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