ほんとうに君が好きだった
私の名前は佐藤れみ。
中学一年生。
まだ一度も彼氏が出来ていないこの年頃の私。
この春、新しい恋を捜している。
「れみぃ~おはよぉ~」
中学に入って一番最初に出来た友達の沙紀がいつものようにテンションMAXで挨拶してきた。
「あ、沙紀おはよぉ!」
そんな平凡な毎日を過ごしていたある日の放課後。
私が帰ろうと下駄箱に行くと何人かの男子がたまっていた。
チャラそうなやつ一人、真面目そうなやつが一人、スポーツ系のやつが一人。
そしてもう一人は…、目が大きくて筋のとおった高い鼻、小顔なのに男らしいとっても綺麗な顔立ち。長身で、現代語で言うと“細マッチョ”。
私は面食いなんかじゃない。
ずっとそう思って来たけど、この時知ってしまったんだ。
一瞬にして彼に惹かれた事を。