また、恋する
記憶喪失


朝起きたら26歳になっていた。



誕生日を迎えた、とかそんなおめでたい話じゃない。


柄の違うベッドカバー、それでも木製のベッドには見覚えがあって、部屋の間取りも何も変わらない。ただ部屋は雑然としていて、何故かダンボールが山積みになっていた。
脱ぎ捨てられた服、飲みかけのスタバのコーヒー。中途半端にかじられたソイジョイ。
カラステーブルの上には置き鏡と戦闘終了後のパック。

汚い、あたしってば、いつから片付けられない女に。


記憶にあるカーテンだけ全く一緒で、目覚めの朝は見渡した部屋に落ちたため息から始まった。



< 1 / 68 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop