また、恋する
広い寝室に置かれたキングサイズのベッドは、一人では広すぎて、隣に眠る誰かがいるんだろうと嫌でも思い知らされる。
何より、
一瞬視界に入った額縁の写真があたしの頭をゴンと鈍器で殴ったような感覚を与えてくれた。
ウェディングドレスとタキシードを着た二人の写真。
よくは見えないけれど、きっと絵に描いたような幸せな笑顔をしているに違いない。
『今はいない』
と言ったスグルさんの言葉を深く考えなかったあたしが悪い。
落ち着いて見渡せば、女の人の名残がある寝室。
きっと、リビングはもっとそれを感じるんだろう。