また、恋する

足がもつれる。


涙が絡んで息がうまく出来なくて苦しい。


スグルさんの声が頭を回って、胸が酷く軋んだ。

あの女の人はきっとスグルさんの『奥さん』。


『未練がましい、と言わないで欲しい。僕はずっと奥さんが忘れられない』


熱を込めて、一言一言大事にするようにそう告げたスグルさんを、あたしは責められる筈ない。


何の確証も、言い表す関係さえないあたしが。


澄み渡った青い空が腹立たしいくらい清々しくて、いっそ雨なら良かったのに、と思った。


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