また、恋する

どうやって帰りついたのか、それでもキチンと我が家へ帰ってきた自分に笑える。

「あら?あんた帰ってきたの?」

と昨日は出くわさなかった平和顔の母親がキョトンとした顔を覗かせて、小さく手を挙げた。


ベッドに倒れ込みたい気分だったけれど、泣き過ぎて顔が痛い。とりあえずノソノソと洗面所へ向かう。

鏡に映った酷い顔は見るに堪えないけれど、直視しなければ、昨夜の全てが夢だったのかとさえ思えてきて情けないから。

あたしはため息を押し殺して冷たい水で顔を洗った。


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