また、恋する

「優しくせずにはいられない感情もある」

「そんなの知らない!ちっとも伝わらない!」

「君が見ようとしないだけだ!」

「違う!」

「本当に伝わらなかった?本当に優しいだけだと?」


荒げた声に、力強さを宿す瞳が揺らいで、吸い込まれそうになる。

激情のままに言葉を投げつける、こんな激しさを持っていたのか、と思ってしまう。




「眞琴、僕は君が良い」



泣きたくなる位、切実な、声。



「…あたしはいらない」



だって、あたしはひどく自分勝手なの。


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