最強最愛彼氏。
悪夢のはじまり
無事に入学式も終わり、
私は寮へと帰ってきていた。
荷物を整理していると
ベッドの上に投げ出していた携帯電話が小さく振動し始めた。
ディスプレイを見ると、着信はお母さんからだった。
「もしもし?」
『あ、夕奈?もう入学式終わった?
どうだった?やっていけそう?』
電話に出ると同時に質問責め。
「うん、うん。大丈夫だってば。
心配しなくても私はちゃんと生きていくから」
そう大袈裟に言ってみると、お母さんはホッとしたような声になって。
『そう?なら良いけど…。
ちゃんと定期的に連絡入れるのよ』
「わかってるよ。………うん。…うん。
じゃあ、今片付けてるから、切るね」
お母さんはまだ何か話したそうだったけど
仕方なく、といった感じで
受話器を置いてくれた。
電話を切って部屋を見渡す。
今日から
この場所で生活していく。
期待と不安を抱えながら
私は再び片付けを再開した。