最強最愛彼氏。
真っ黒な髪の毛をいじりながら
その少年はため息をつく。
「…アンタ、1年やろ?」
「え、あ、はい…」
頷くと、少年は
『やっぱりか』というような感じで
二回目のため息。
「この時間になったら
1年は裏から入らなあかんで」
そう言いながら彼は
正門よりも更に奥の方を指差した。
見ると、確かにそこには
正門よりも小さいが
裏門と思える扉があった。
「そ、そうなんですか。
私、何も知らなくて…」
そう告げると
彼は2、3度瞬きをして
静かに口を開く。
「…………はよ行かんと
遅刻するで」