最強最愛彼氏。
「─────ま、間に合った…」
なんとか教室に到着して時計を見ると
朝のHRが始まる時間の一分前だった。
「おはよう、夕奈ちゃん」
後ろから透き通るような声がかけられたのは
その時だった。
「美里ちゃん!おはよう!」
美里ちゃんは
呼吸が乱れている私を
不思議そうに見つめている。
「…大丈夫?」
「あ、うん。
危うく遅刻する所だったよー」
苦笑いを返したのと同時に
担任が教室へと入ってきた。
私は自分の席へ移動し
鞄を下ろす。
窓の外では
まだ雨が降り続いていた。