最強最愛彼氏。
入学式
時間はあっという間に過ぎ去り
いよいよ入学式がやって来た。
私は新しい制服に袖を通して
リビングに向かった。
「いよいよね、夕奈(ユウナ)」
お母さんが私を見て微笑んだ。
「しっかりやって来いよ」
お父さんも新聞から顔を上げて目を細める。
「うん。大丈夫だよ。
………じゃあ、行ってきます」
私は足元に置いてあったトランクを持ち、玄関へと向かう。
「姉ちゃん、いつ帰ってくるの?」
今年小学6年生になる弟の雅樹が私を見つめる。
「んー。ゴールデンウィークには帰れると思うよ。
お父さんとかお母さんに迷惑かけるなよ!」
「勿論!」
「夕奈。寮の人にもよろしくね」
お母さんは心配そうに
玄関までやって来る。
「もー。大丈夫だって!
私ももう高校生だよ?」
心配そうに見送るお母さん、お父さんと
元気良く手を振る弟に見送られながら
私はこれから通うことになる高校へと向かっていった。