最強最愛彼氏。



気付けば彼はステージから居なくなっていて、生徒指導部っぽい先生が明日からの連絡事項についての話をしていた。



「ねぇねぇ、そういえば」


美里ちゃんが、不意に私の肩をつついてきた。


「夕奈ちゃんのお父様って
どんなお仕事をしているの?」

「えっ?」


予想外の質問に、思わず声が上擦る。


「どこかの社長さん?
それともお医者様とか」


「あ、えっと」


美里ちゃんは次々と
セレブな職業を言っていく。


でも、私のお父さんは
ただのサラリーマンだ。


でもなんだか
それを言うのが嫌だった。


私だけが
周りから浮いているような気がしたから。



「…医者なんだ」



そして私は

お父さんの仕事を

サラリーマンから医者に詐称した。



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