らぶ☆でり-サンタさんの贈り物-

社会人…。その責任の重みを私はまだ知らない。最近就活が始まりその片鱗に触れたことで私はなおさら海の負担にだけはなりたくないと考えるようになっていた。


「はぁ」

本日何度目になるとも知れないため息。そうは言っても完全に割りきる事など不可能。

この例えようもない寂しさと虚しさに海の職場の先輩を呪いたくなる…………いや、すみません実はもう呪いました。

そんな物騒な事を考えていればぐぅと情けない音がなった。

「あ、ご飯食べるの忘れてた」

この日のためにお母さんに送ってもらったレシピ集がついに日の目をみることはなかった。

どうしようもなくて布団に潜って寝ることにする。ヒヤッとした布団の感触にポロリと涙が溢れた。


「かいの、ばか」


これぐらいの愚痴は許して欲しい。

ここでインターフォンがなるなんてことはなくて、私はむりやり目を閉じた。


起きたら海がいますようになんて、最後の悪あがきをどこにいるかもわからないサンタさんに願いながら。
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