俺様彼氏と空手彼女2
「すみませ…っ」
即座に謝り、離れようとする。
そんな私の身体を、今度は2本の腕がぎゅっと回され、逆に引き寄せられてしまった。
「ちょっ、何っ!?」
「やぁ、おはよう璃依。」
そんな、聞き覚えのある声と共に、頬に触れる唇の感触。
「っ!何すんのっ!!
すぐさま腕を払い、その人物に容赦なく拳を握り殴りかかった。
「あははっ、いいねーその反応」
私のパンチをあっさりと受け止め、涼しい顔をして笑っていたのはあの芦野くんだった。
「芦野!てめぇっ!!」
「これくらいで怒んなよ。」
葵が芦野くんに詰め寄るが、芦野くんは飄々としていて、ちっともこたえてないようにみえた。
それどころか、楽しげに笑っていたのである。
「なぁ、璃依。コイツなんか止めて俺にしとけば?俺を選んで、後悔はさせないぜ。」
「はぁっ!?」
バカじゃないの!?
と文句を言おうとした私の身体は、今度は葵に引っ張られていた。
「璃依だけはやんねーよ!」