俺様彼氏と空手彼女2
「早くかかって来ないと人が来るかもね」
「調子に乗るなよアマぁっ!!」
とうとう男はナイフを振り上げてかかってきた。
「きゃああああっ」
遠くで野次馬の悲鳴が聞こえた。
どうやら私がやられると思っているらしい。
そんなわけ、ないのにね。
「しねぇっ!」
振り下ろされたナイフ。
私は、何の問題もなくそれを避けた。
すると、男の顔に焦りが浮かんだ。
「こ、この…っ」
めちゃくちゃに振り回すが、私にかすることすらなく。
ほとんど半狂乱になって暴れ回る。
その時だった。
「おいお前!ナイフを捨てろ!」
視線だけ動かして確認すると、青い服を着た男の姿。
お巡りさんだった。
「くそ…っ!来るなぁっ!き、来たらこいつを殺すぞっ!!」
男は、ずっと私に向けていたナイフをお巡りさんへと向けた。
その瞬間を、私は見逃さなかった。
素早く側に寄り、戦闘体勢を取る。
「っ!?」