Heart
でも。

これで踏ん切りが付くのなら、嫌いになれるのなら。

私はやる。これで、、、、、、付くのなら、、、、。

「じゃ、リハーサルやりま~す」

先生が、マイクを持って言った。

みんなは椅子に座り、私と隣のクラスの男の子はステージの端で待機していた。

「あの、、、松葉さん、ですよね?」

始まってすぐ、男の子が言った。

「そうですけど、、、、でも、何で私の名前、、、?」

「知らない人はいないでしょ、あんなにカップルで騒がれちゃったらね?」

大きめの瞳が、弧を描く。

「俺は時枝修平。隣のクラスなんだけど、色々とヨロシクな」

「うん、ヨロシクー」

ちょうどいいタイミングで、

《続いて、1年生のメッセージです》

アナウンスが入り、私たちの出番になった。

最初に出て行った時枝クンは、スラスラと暗記した原稿を言っている。
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