Heart
乾燥した砂漠。そんな感じでしょうか?

20歳になった松葉実優、どうですか?

砂漠は、潤いましたか?

そして、まだ、好きでいますか?」

引き出しに入っていた、3年前に書いていた手紙。

私は、便せんの裏に書いた。

「確かに戻って来てはいないけど、今はシアワセです。

悲しんでいちゃ、アイツががっかりしちゃうから。

元気な姿を見せてあげたいから。

私はもう、悲しくありません。」

黒のボールペンでしっかりと書き込む。

そして、それを封筒に入れ直し、

「さようなら、過去の悲しんでいる自分」

手でグシャッと丸め、ゴミ箱に入れた。

3年前の、恋。

あれほど嬉しく、悲しい恋はないと思う。

私は、バックを手に取った。
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