ゆきんこ造雪所【企】
歩いた先に見えたのはクリーム色の大きな建物。
中にはたくさんの子ども達がいる。
そこから見える窓のひとつに本を持ったくるくるした髪の女の子がいた。
女の子は空を見上げている。
サンタが近付いてみても、女の子は空を見上げたままだった。
「クリスマスに雪がふればお父さんとお母さんは仲良しになるのかな…?」
(…これがクリスマス?)
女の子の手にある絵本には窓の外は雪景色、飾り付けした木と美味しそうな料理、そして人々の笑顔があった。
「サンタさんならかなえてくれるかな…?」
(…え?また?!)
女の子はどう見てもサンタに気付いているわけではない。
どうしてサンタを知っているんだろう?
サンタは不思議に思う。