ゆきんこ造雪所【企】


「お兄さんおみまい?」

「え…?!」

声をかけられた方を見ると一人の少年がいた。

彼はパジャマを着ていて、髪は猫のようにハネている。
そして見えないはずのサンタをジッと見つめいた。

「…オレが見えるの?」

「見えるよ。」

サンタは普通は見えないはずだ。
けれど少年には見えている。

「……。」

「ほんとうは見えないの?お兄さん何者?」

少年は不思議そうな顔でサンタを見る。
けれどサンタは何も話せなかった。

なぜなら、ユキダルマ星の約束のひとつに、

『星の人に見つからないこと』

というものがある。
そのために姿を消す力があったのだ。


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