陰陽(教)師
一方で、大吾の言葉は続いていた。
「先生は力があるにも関わらず、腕ずくで問題を解決しようとしませんでした」
「500年間、筋を通した川太郎が納得できる方法を選んだと言いたいわけじゃな」
善吉の補足に、大吾はうなずいた。
「俺のやり方が気に入ったんで、手伝わせてくれってことか」
「そうです」
「いくら褒めても、何も出ないぞ」
晴明は腕組みをして、もう一度笑みを浮かべた。
「あともうひとつ言わせて下さい」
言いながら、大吾は大きく息を吸い込んだ。
ぶ厚い胸板がさらに膨らみ、学生服がはち切れそうな音をたてる。
「破!!」
大音声を張りあげると同時に、大吾は異形の者と化していた。
その姿は【岩】だった。
正確に言うと【岩】の体を持った、岩石人間と呼ぶべき姿だった。
学生服は何処かへ消え失せ、顔の部分に残った目の光だけが、大吾の面影を残している。
背丈はそのままに、体の厚みは倍以上になっていた。
「先生は力があるにも関わらず、腕ずくで問題を解決しようとしませんでした」
「500年間、筋を通した川太郎が納得できる方法を選んだと言いたいわけじゃな」
善吉の補足に、大吾はうなずいた。
「俺のやり方が気に入ったんで、手伝わせてくれってことか」
「そうです」
「いくら褒めても、何も出ないぞ」
晴明は腕組みをして、もう一度笑みを浮かべた。
「あともうひとつ言わせて下さい」
言いながら、大吾は大きく息を吸い込んだ。
ぶ厚い胸板がさらに膨らみ、学生服がはち切れそうな音をたてる。
「破!!」
大音声を張りあげると同時に、大吾は異形の者と化していた。
その姿は【岩】だった。
正確に言うと【岩】の体を持った、岩石人間と呼ぶべき姿だった。
学生服は何処かへ消え失せ、顔の部分に残った目の光だけが、大吾の面影を残している。
背丈はそのままに、体の厚みは倍以上になっていた。