陰陽(教)師
「先生、コイツらの代わりに尻子玉を受け取ってくれよ!」
晴明は肩にとまった小鳥をつついて遊んでいた。
「うぉい先公ーッ!?」
「ワシが受け取ろう」
収拾がつかなくなった場を納めたのは、善吉だった。
「お祖父さま、どこへ行ってらしたの」
「これを取りに行ってたんじゃ」
善吉は左手に下げていたビニール袋を上げた。
袋には、みずみずしいキュウリが、どっさり入っていた。
「元はと言えば手を持ち出したワシの責任。せめてもの詫びじゃ、受け取ってくれ」
善吉はキュウリを川太郎に差し出した。
言うまでもなく、キュウリは河童の大好物だ。
「そ、そこまで言うなら…」
川太郎は目を輝かせ、よだれを垂らしながらキュウリを受け取った。
それと引き換えるように善吉は尻子玉を受け取った。
「本当にすまんかった」
「構わん。左手はちゃんと返してもらったしな」
川太郎はさっそく一本のキュウリをかじりながら答えた。
晴明は肩にとまった小鳥をつついて遊んでいた。
「うぉい先公ーッ!?」
「ワシが受け取ろう」
収拾がつかなくなった場を納めたのは、善吉だった。
「お祖父さま、どこへ行ってらしたの」
「これを取りに行ってたんじゃ」
善吉は左手に下げていたビニール袋を上げた。
袋には、みずみずしいキュウリが、どっさり入っていた。
「元はと言えば手を持ち出したワシの責任。せめてもの詫びじゃ、受け取ってくれ」
善吉はキュウリを川太郎に差し出した。
言うまでもなく、キュウリは河童の大好物だ。
「そ、そこまで言うなら…」
川太郎は目を輝かせ、よだれを垂らしながらキュウリを受け取った。
それと引き換えるように善吉は尻子玉を受け取った。
「本当にすまんかった」
「構わん。左手はちゃんと返してもらったしな」
川太郎はさっそく一本のキュウリをかじりながら答えた。