陰陽(教)師
善吉は再び尻子玉を嵩史の口に近づける。

「いや、だから…」

抵抗する嵩史の顔を押さえたのは明菜だった。

「さっきの態度は何処へいったの、三池君?覚悟を決めなさい」

冷えきった顔と声で、明菜は言った。

「あきらめな三池。明菜ちゃん変なスイッチ入ったみたいだし」

嵩史を抱く鈴子の手に力がこもる。

「俺も手伝おう」

大吾も岩石の手を伸ばしてきた。

「た、助けてくれ先生ッ!」

晴明はとても穏やかな目で嵩史を見ていた。

『あ、もう終わりだ』

嵩史の中で【希望】という名の糸が切れた。





「うぎゃー!!!」



「陰陽(教)師」

第二話 END

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