陰陽(教)師
二人とも、お互いに唇を尖らせた。
委員長が二人の間に入ろうと立ち上がりかけた時、晴明が
「三池嵩史」
と、男子生徒に呼びかけた。
晴明は一冊のファイルを開いていた。
「なんだよ」
嵩史はいぶかしげに返事した。
「お前の正体は猫又か」
ファイルを見ながら、晴明は言った。
猫又とは、年を経た猫が妖怪化したものである。
人語を解し、人に化けるなど様々な妖力を持つ。
尾が二つに別れていることから、猫又と呼ばれている。
「両親も共に猫又か。生まれついての妖怪というわけだな」
「それがどうしたよ」
嵩史は下から晴明を睨みつけた。
アーモンド型の目は、三白眼と化している。
「人間社会で暮らす妖怪一族なら、苦労も多いだろう」
「何が言いたいんだよ、先生」
「そりゃ陰陽師といった連中には偏見もつわな」
「よくわかってんじゃねぇか!」
嵩史は席から跳び上がった。
立ち上がって跳ぶまでほぼ一動作。
委員長が二人の間に入ろうと立ち上がりかけた時、晴明が
「三池嵩史」
と、男子生徒に呼びかけた。
晴明は一冊のファイルを開いていた。
「なんだよ」
嵩史はいぶかしげに返事した。
「お前の正体は猫又か」
ファイルを見ながら、晴明は言った。
猫又とは、年を経た猫が妖怪化したものである。
人語を解し、人に化けるなど様々な妖力を持つ。
尾が二つに別れていることから、猫又と呼ばれている。
「両親も共に猫又か。生まれついての妖怪というわけだな」
「それがどうしたよ」
嵩史は下から晴明を睨みつけた。
アーモンド型の目は、三白眼と化している。
「人間社会で暮らす妖怪一族なら、苦労も多いだろう」
「何が言いたいんだよ、先生」
「そりゃ陰陽師といった連中には偏見もつわな」
「よくわかってんじゃねぇか!」
嵩史は席から跳び上がった。
立ち上がって跳ぶまでほぼ一動作。