陰陽(教)師
しかし頭には五徳という囲炉裏でヤカンなどを乗せる台を、冠のようにかぶり、手には火吹き竹を持っている。

なぜ五徳を頭にかぶっているかは謎だが、手にした火吹き竹を使って、火を自在に起こすことができると言われている。

「五島は、先祖返りか」

晴明はファイルを見ながら言った。

「何代か前の当主が、妖怪を娶ったと、我が家に伝わる古文書にあったそうです」

「当主とは仰々しい響きだな」

「明菜ちゃんの家は、お金持ちなんだよ!」

金髪少女が、笑顔で会話に割り込んできた。

「何百年も続く旧家で、土地をいっぱい持ってるんだって!」

「戦前の話よ」

金髪少女のテンションに困ったような顔をしながら、明菜はやんわりと訂正した。

「今でも充分、大地主だろうがよ」

嵩史も会話に加わってきた。

「うちの学校の敷地も、もとは五島家の持ち物だったって聞いたことあるぜ」

「ま、そのへんはどうでもいい」

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