陰陽(教)師
「先生、ムシは全部倒したよ!」

ホウキに乗った鈴子が戻ってきた。

「しばらく出る気配はなさそうよ」

「こっちも終わった」

晴明は携帯から顔をあげた。

「原因わかったのかよ、先生」

「この家は家相学的に問題があった」

「家相?」

人相という言葉があるように、家の相=家相という言葉がある。

家の建て方や家の配置、家の建てられている位置などが、その家や家に住む人々の運命や健康などに重要な影響を持つと考えるのが家相学である。

「占ってみたら、この家の家相には外から入ってくる【気】が出てゆかず家の中で滞留してしまうという問題があった」

しかも、と晴明は言葉を続けた。

「この家には悪い【気】の方が多く流れている。他の土地ならともかく、この杉沢市は霊力が強いから、その影響の大きさは計り知れない」

家相の悪さとあいまって最悪な状況を生んでいると晴明は語った。

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