陰陽(教)師
「これは葉衣観音だ。三十三観音の一人で、鎮宅…つまり家の怪異を鎮める力を持つ」
「へぇ?」「ほぉ?」
嵩史と鈴子は同時にうなずいた。
「この葉衣観音の力でこの家の怪異を鎮めれば、この部屋から脱出できるはずだ」
晴明は、左手で携帯を高く掲げた。
「胎蔵界 曼陀羅 観音院に座す葉衣観音の力を以って鎮宅す…」
嵩史と鈴子は、部屋の空気が張り詰めてゆくのを感じた。
「オン ハラナ シャバリ ウンハッタ」
晴明がそう唱えると同時に、震動が起こった。
「地震!?」
鈴子が叫んだ。
「違う!空気が震動してんだ!」
体に伝わる感触から、嵩史はそう判断した。
その時である。
『ひもじい…』
聞き覚えのある声が部屋に響いた。
鈴子と嵩史は、顔を見合わせた。
『ひもじい…』
突然、あの老婆が姿を現した。
しかしその大きさは先ほどとは比較にならないほどで、身の丈は優に三メートルを超えていた。
「なんだありゃ!?」
「へぇ?」「ほぉ?」
嵩史と鈴子は同時にうなずいた。
「この葉衣観音の力でこの家の怪異を鎮めれば、この部屋から脱出できるはずだ」
晴明は、左手で携帯を高く掲げた。
「胎蔵界 曼陀羅 観音院に座す葉衣観音の力を以って鎮宅す…」
嵩史と鈴子は、部屋の空気が張り詰めてゆくのを感じた。
「オン ハラナ シャバリ ウンハッタ」
晴明がそう唱えると同時に、震動が起こった。
「地震!?」
鈴子が叫んだ。
「違う!空気が震動してんだ!」
体に伝わる感触から、嵩史はそう判断した。
その時である。
『ひもじい…』
聞き覚えのある声が部屋に響いた。
鈴子と嵩史は、顔を見合わせた。
『ひもじい…』
突然、あの老婆が姿を現した。
しかしその大きさは先ほどとは比較にならないほどで、身の丈は優に三メートルを超えていた。
「なんだありゃ!?」