陰陽(教)師
「なんか、おごって☆」

「おお、そうだ!」

鈴子のセリフに嵩史も素早く反応する。

「親睦と慰労を兼ねて、メシ食いに行こうぜ、先生のオゴリで!」

「正気か…?」

晴明が眉をひそめた。

その反応に、鈴子は唇を尖らせる。

「なに先生、嫌なの?」

「なんだよ、安倍晴明はケチなのかよー?」

「晴明(せいめい)じゃない、晴明(はるあき)だ」

晴明は真顔で応じた。


―――――――――――


「僕の机はここですか」

晴明は司書室のドアを開けた。

「貴方には図書室の管理をやってもらうからね」

矢尾はそう言ったが、二人には『活動』の仕事もあるので、一般の教師と分ける必要があるのだろう。

妖怪が云々という話は、職員室でできるものではない。

「そういえば昨日、三池君と木下さんを放課後に連れ出したそうね」

「どうしてそれを?」

「朝、木下さんと一緒になって、その時に色々と、ね」

「そうでしたか」

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