陰陽(教)師
「ラーメンご馳走してあげたんですって?」

「痛い出費でした」

晴明は唇を噛み締めた。

「貴方は学生の頃から倹約家だったものね」

矢尾は口もとに手をやり、ふくふくと笑った。

「でも、ちゃんとご馳走してあげたんだから、成長したわよね」

「…どうも」

ここで矢尾の表情が引き締まった。

「で、あの二人を『活動』に同行させたんですって?」

「不適切でしたか」

矢尾は首を振った。

「彼らに関しては貴方に一任してるわ。私も貴方を信じてる。でも、ここは普通の土地と違うの」

「生徒たちもそう言ってました」

「前任者の話は聞いてるわね?」

晴明はうなずいた。

「関係者たちの話では、無理をしてのドクターストップと言われているけど、私はそう思ってないの」

「どういうことですか」

「前任者は私と一緒に計画的に『活動』を行ってたわ。確かに霊感に頼り過ぎるきらいはあったけど、けして無茶はしなかった。これがどういうことかわかる?」

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