Heart Language
「ねぇ、大樹。なんで紗英ちゃんと別れちゃったの?」

「別に。麗花には関係ないだろ。」

つい強くあたってしまった。

彼女が悪い訳じゃない。

悪いのは俺の方だ。

「大樹ってさ、昔っから同じ年なのに大人っぽくて、お兄ちゃんみたいで冷静なのにたまに、拗ねるよね。
いまだによくツボがわからないよ。」

ちょっと、眉間にしわを寄せた俺だったけど、振り向いた麗花の顔は

夕日に照らされて

白い肌によく映えた薄紅の頬で

なによりとびっきりの笑顔で

ほんの一瞬、不意にどきっとしたんだ。

でも、すぐに悲しくなる。

キミのその顔をあと何度みることができるだろう。

考えるだけで、目頭があつくなる。

僕は、キミの側にいるよ。

ただの幼なじみの親友だとしても。
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