わたしの恋人




そして、僕はあいこちゃんを見ていたら目があった。

すぐに僕はそらしてしまった。
それでもあいこちゃんはまだ僕を見てる気がした。


「ねえ、力希くん!泳ぎ方教えてあげようか?」


えっ…………?
一瞬、僕の思考回路が止まった。

教えてあげようか?なんて、初めて言われた。
いや、話しかけられたのが初めて。

僕は友達がいないから、話しをする人だっていない。

だから嬉しかった。
しかも、あの子に言われたから胸が熱くなった。

ドキドキと鼓動が凄い。
僕は気付いた。


あいこちゃんが好き…………――

もう、見てるだけじゃなくていいよね?
これからは話せるかもしれない。


「僕、泳げるよ。」


あ、びっくりしてる。
あの顔可愛いな。

僕は誰にもばれないように、微笑んだ。


「そうなの!あっ、泳いでみてよ!」

泳いでみてよって、僕があいこちゃんの前で?
ちょっと恥ずかしい。

でも、せっかく言ってくれたんだら泳ぐしかない。

僕はクロールを泳いだ。
なんでかな?みんな見てる。


だから余計に恥ずかしくなった。







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