【短編】大好きだった
2年生になると、彼と私の距離はぐっと近くなった。
たまたま委員会が同じになったからだ。
お互いに帰宅部で、家の方向が一緒ということで、委員会がある日は途中まで一緒に帰った。
私は更に彼を意識するようになった。
彼を取り巻く柔らかい空気や、綺麗に、だけど楽しそうに笑う姿に惹かれていた。
彼と過ごす時間はとても楽しくて幸せで、着かないでほしいといつも願った。
それなのにそんな時間はすぐに過ぎて、別れた後一人で歩くのは何だか寂しくて、右隣で感じていた温かさが恋しかった。