ぱすてる
「え-!藍音、そら部に入るの?」




次の日、晴香に昨日の事情を話した。

「うん・・・。まあね。」






あたし、はっきり言ってショックだった。

あんなに綺麗なスチュエーションで

もってこいの場所で

されたのはただのスカウト。




落ち込むよ。普通に。

しかもめちゃくちゃ自分を慰めてたし。





「しかも、孝治くんとでしょっ?いいねえっ!一石二鳥じゃん。」

はは・・・。なんか意味違うよね。





そら部の活動場所は屋上。




いろんな方向から写真を撮ることができる。

これこそもってこいの場所。

だから、よく屋上に居るわけか・・・。






あたしはあの日から、

自分勝手かもしれないけれど、

女心を踏みにじられた感がすごくあって、

どうにもこうにも居られなかった。

まるで何かを期待していたみたい・・・。

なんだろ‥この気持ち‥。








藍音の芽生え始めた恋心に

本人はまだ気付いていなかった。
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