年下君の甘い誘惑





坂石雅人と関わらないと決めても、きっと話したら向こうのペースにのせられてしまう




それに…………




あたしの気持ちが大きくなるのが怖い




だから、話しかけられたとき手紙だけ渡せば………




「ちょっと、未来聞いてんの?」




詩音に肩を叩かれてハッとする




「あ、え、なんだっけ?」



「だーかーら、紙のこと。」



「あーと、そうだったね。」




なんて言えばいいんだろう
坂石雅人のことは、詩音になんにも話してないしな




そのとき………




「未来先輩。」




今、一番会いたくない人の声が耳に入ってきた




顔を見なくたって声で誰だか分かる








< 103 / 297 >

この作品をシェア

pagetop