年下君の甘い誘惑






「………坂石雅人。」






手紙を渡すことも忘れて、あたしはただ呆然と坂石雅人を見つめることしか出来なかった






「あれって1年生だよね?かっこよくない?!」

「やっぱり、坂石くんカッコイイよね。」




周りの女子たちが坂石雅人を見てワーワー騒ぎ始める




「未来ちゃんと付き合ってるのかなぁ?」

「え〜未来ちゃんには彼氏いるじゃん。」




彼氏がいるから坂石雅人と関わっちゃいけない




…………好きになっちゃいけない




そんなの分かってるよ




だから、あたしはけじめをつけなきゃいけないんだ




あたしはポケットに隠していた手紙を坂石雅人にさしだす




「…………これ、なんですか?」



「いいから、読んで。」




あたしの言葉に坂石雅人はしぶしぶ手紙を読み始めた




ごめんね、坂石雅人




手紙を読み終えた坂石雅人はただ呆然とあたしを見つめる




「これ…どうゆう意味ですか?」



「ごめん。」



「質問に答えて下さい。何でこんな手紙……。」




答えられない
あたしは臆病だから何も言えない




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