年下君の甘い誘惑





「ごめんなさい。」




その場にいたたまれなくなったあたしは逃げるように教室から出た





このまま一緒にいたら好きになっちゃう



気持ちが抑えられなくなる




「どこ行くんですか!?」





――――――だから




「未来先輩!」




名前を呼ばれても振りかえることはできない





あたしはあなたとは一緒にはいれないから




本当にごめん…………





「………って、何で追いかけてくんのよ〜〜っ!」



「未来先輩が意味分かんない手紙だけ渡して逃げるからです!」





廊下を全力疾走するあたしたちに皆の視線が集まる





………恥ずかしい!




「恥ずかしいじゃんよ〜!追いかけて来ないで〜!」



「未来先輩が逃げなければ止まりますよ!」




そんなこと言われたって、あんたに合わせる顔がないんだから止まれるはずがない




「仕方ないでしょ!逃げたい気分なの!」



「はぁ?なんですか、それ!大体あんな手紙1枚で俺が諦めると思ってるんですか?!」




…………違う、思ってない



本当は諦めてほしくない、ずっと好きでいてほしい



だけど、それはあたしの自分勝手な我が儘





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