年下君の甘い誘惑





―――そう、あたしの我が儘




「坂石雅人、500円玉落ちたよ!」



「え、どこにですか?!」




坂石雅人が立ち止まった瞬間に、目の前にあった図書室に慌てて逃げ込む




これ以上甘えちゃいけない
龍を裏切っちゃいけない




あたしはとりあえず、坂石雅人に見つからないように、いつものベランダに避難する




―――――――――ズキズキ




おかしいな、胸が痛い
なんでこんなに痛むんだろう




ベランダに逃げ込むと、自然と足の力が抜けて座りこんでしまった




…………胸の痛みが止まらない



なんでこんなに辛い思いをしなきゃいけないんだろう



なんで坂石雅人のこと好きになっちゃったんだろう



なんで…………



「未来先輩、みっけ。」




あんたはあたしの側に来てくれるの?




.
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