年下君の甘い誘惑
「そもそも、坂石雅人のどこがいいの?顔?」
「ちょ、拓。未来だって、色々辛い思いして決めたことなんだから、そんな言い方しなくても。」
詩音が拓を止めたが、拓は話し続ける
「顔とかじゃなくて…。」
「じゃ、どこ?」
そんなこと聞かれたって分かるはずない
いつの間にか好きになってたんだもん
あたしだって、坂石雅人なんか好きになる予定じゃなかった
「ちゃんと好きかも分からないやつのために、龍を傷つけたのかよ。」
"龍を傷つけた"
その言葉がグサリと胸に刺さる
「…ごめん。」
やばい、泣きそう
あたしは目に溜めてる涙がばれないようにうつ向いた