年下君の甘い誘惑
雅人がいつから、あたしのこと好きじゃなかったのかさえ分からない
それどころか雅人は自分のことを好きだと思ってた
そう思うと悔しくて悲しくて、涙がこぼれそうになる
あたしは泣いてるのがバレないように何も言わず下を向いた
「ごめん、雅人。またね。」
「ちょ、未来先輩。」
あたしはそのまま顔を上げず、その場から立ち去った
あたしって本当に馬鹿だなぁ
もうすぐ記念日だって浮かれて
一人で悩んで
一人で楽しみにして
本当に馬鹿
あたしは皆に泣いてるのがバレないように、慌てて図書室に入ると、いつものベランダに逃げ込む
一人になった途端、溢れてくる涙は止まることがなく
自分がどれだけ雅人のことを好きになってしまってたか、思い知らされた
こんなにすぐ離れちゃうなら、最初から近づかないで欲しかった
優しくしないで欲しかった
こんなに好きにならせて、あっさり離れようとするなんて