年下君の甘い誘惑




「カッコイイかねぇ。」



あたしも坂石雅人に視線をうつす




茶色に染まった髪は無造作にセットされてて、切れ長の目に鼻筋の通った高い鼻、身長も高くてほどよく筋肉がついている




まぁ言われてみれば、確かにカッコイイのかもしれないな




すると坂石雅人がこっちの視線に気付いたようで、手を振ってきた





………何で手なんか振ってくんの




"関わらない"と決めたんだから、悪いけど無視しよう



あたしは手を振らないで、グラウンドから目をそむける




そんなあたしを見て詩音が不思議そうな顔をしながら言った





「坂石雅人が未来に向かって、手振ってるよ?」



「…………うん。」




………やっぱり無視してるのは気分が良くない




あたしはまだこっちを見てる坂石雅人に、軽く手を振る



すると、坂石雅人は嬉しそうに笑った後、口パクで何かを伝えてきた




………ん?なんだろう?

最初は分からなかったけど、すぐに坂石雅人の言ってることが分かった





それは




"す"


"き"


"で"


"す"




"好きです"





………本当に坂石雅人はなんなの




あたしは"ばか"と口パクで返しながらも、少し顔が熱くなってる気がした





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