年下君の甘い誘惑






*安部くんside




「じゃ、僕は帰るね。ばいばい。」



俺はそれだけ言うと、小走りで教室を出た



「あ、うん。ばいばい!本当にありがとう!」





ふざけんな
なんなんだよ、あの女


なにがありがとう、だよ



俺がどうしてお前らに近づいたのかもしらないくせに



坂石の過去の話だって、あいつらの幸せを崩すため話したのに



そうすれば、あの女が戸惑って坂石への信頼をなくして、嫌いになると思ったから





それなのに…………






「あー、くそ!」




どうしてもあいつの"ありがとう"が耳から離れない






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