年下君の甘い誘惑





多分入れ忘れたんだ



仕方ない



職員室にでも行って、傘を借りよう




そう思いトボトボ歩いてると、視線の先に安部くんの姿が




「あれ、安部くんまだ帰ってなかったの?」


「ああ、未来ちゃん。傘なくてさ、職員室に借りにいってたんだ。」


「いきなり降ってきたもんね。あたしも忘れたから、借りにいくところだよ。」





安部くんはあたしの言葉に、あー、と呟きながら困ったように頭をかいた




なんだろう
あたし変なこと言っちゃったかな?





「どうかした?」


「いや、僕が借りた傘が最後の一本だったんだよね。だから、職員室には置き傘ないと思う。」





………え





< 241 / 297 >

この作品をシェア

pagetop