年下君の甘い誘惑






カーテンを開けて、枕元にゼリーを置く




坂石雅人はぐっすり眠っているようで、寝息をたてていた




……やっぱり寝てるときは、カッコイイな




黙ってれば、もっとモテるのに





"彼氏と別れて俺のもんになりましょ?"


"未来先輩は俺のこと好きになりますよ"




強引な君と




"行かないでください"




孤独な君



それは皆知らない姿なのかな
だから、モテるのかも…?







そんなことを考えながら携帯を見ると、さっき龍の電話を切ってから30分はたっていた




「あ、やば。時間…。」




さすがに、もう行かなくちゃ…





あたしは坂石雅人の頭を少し撫でてから、保健室を出た。






…………なんかこれじゃ、確実に坂石雅人のペースにはまってるよね




"絶対関わらない"って決めたはずなのに




坂石雅人と話すのは今日で終わり。
明日からは今度こそ"絶対に関わらない"





あたしがそう決めて歩いてる一方、保健室では








「………頭、撫でられた。」





頭を撫でられて、坂石雅人が耳まで真っ赤になっていたことは誰も知らない







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